江戸時代、宗教弾圧から逃れて蝦夷地に渡ったキリシタン達がいました。1639年、彼等の内の106名が松前藩によって処刑されました。キリシタン殉教地が北海道にまであるという驚きがキリシタン史を研究するきっかけとなりました。
弾圧する側、される側、彼等を外から見る人々・・そこに生きた誰もが命ぎりぎりの選択を迫られた時代です。
高山右近のように、国外追放を甘んじて受け入れた人物もいれば、不干斎ハビアンのように、日本一の説教師と言われながら後に棄教し、キリシタン弾圧に協力した人物もいました。外側の人々ー例えばオランダ商人(プロテスタント)にとって、幕府のカトリック教徒迫害は対岸の火事のようでいて、自らの絵踏みの時、苦悩せぬ者は一人もいなかったでしょう。
一方、世界史に目を転ずれば、ヨーロッパは新教VS旧教の熾烈な30年戦争の真っ只中でしたし、教会は魔女裁判や異端審問の冷酷な加害者でした。
宗教の聖性と人間の俗性、そして大航海時代がもたらした東西文化の遭遇と衝突。16.17世紀とは、聖俗入り乱れ、東西入り乱れた深淵にして壮大な時代と言えるでしょう。
研究の傍ら、忘れがたい挿話を拾い集め、いつしか物語をつむいでいました。
それを発表したく立ち上げたのがこのHome pageです。
最初に連載するのは、『サラ・スペックス、知られざる少女。』。
平戸オランダ商館長ヤックス・スペックスと日本女性の間に生まれたサラ。彼女は数奇な生涯を送りました。
20数回に分けてこれから連載していきます。
また、旅をした日本とアジア各地での見聞、等々をエッセイにまとめました。
こちらもあわせてご笑覧ください。
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