『サラ・スペックス、知られざる少女。』その7

牢獄
第四章 処刑

 
 リードリヒは、頭上高く長刀を振りかざしたまま、この窮地を回避できるあらゆる方法に頭を巡らせた。
 足元でサラと少年兵が震えていた。
 フリードリヒは長刀を、弧を描くようにヒラリと鞘に収めると、長身を折り曲げ、「閣下」とひざまずいた。
「恐れながら」
「なんだ!」
「サラの父君は総督に次ぐ地位の方。父君不在時の処刑は禍根を残す事となりましょう」
「だからなんだ!」
「裁判を。裁判の手続きをお踏みください。それが賢明でございます」
 こうべを垂れながらさらに続けた。
「正義は有罪を宣言致しましょう」
「・・・」
「閣下が恨みを買う必要はございません」
「・・・」
「どうか、一日の御猶予を願います!」

 総督は険しい目でフリードリヒを睨みつけた。粛粛と跪くその姿に、かつての彼の献身が一瞬心によぎった。
 総督はしばしの沈黙の後、ゆっくりと肩の怒りをおろした。
「よかろう」
 家臣らは総督の翻意に驚いた。

 フリードリヒはすぐさま兵士らに命じた。
「おい、この汚らわしい者どもをさっさとつまみ出せ!」
 兵士らがどやどやと前へ出てきた。
「サラは城の地下牢に! 男は市庁舎の地下牢に! さあ、今すぐだっ!」

 お許しを! お許しを! 閣下、どうか、お慈悲を! 泣き叫び、髪をふり乱す少年を兵士らはがっちりと押さえつけ、ヒモで縛った。
 サラはぐったりと床に倒れており、フリードリヒはその乱れ髪を掴んでおもてを向けた。死人のように真っ青だった。怯えつつ薄目を開けたサラに向かって、フリードリヒは目で叫んだ。
―サラ、気を確かにしろ!
 朦朧とした意識の中でサラはフリードリヒに気付いた。先生が私を見ている、それだけが意識をかすめた。
 なおも暴れ続ける少年と死んだようになった少女を男たちがバタヴィアの別々の地下牢へと運び去った。

 総督は厳命した。
「部屋の扉に誰か立て! 誰も入れてはならぬ! 明日早々この部屋の一切合財すべてを火で燃やせ! いいな!」

 ピーテル・コルテンフーフはバタヴィア市街の中心部、市庁舎の地下牢に閉じ込められた。
 震えながらキリスト教の神に祈った。何の返事もなかったのでジャワの神々に祈った。返事は無かった。
 通路に人の気配を感じては鉄柵に駆け寄り、泣き叫びながら命乞いをした。その度に牢の暗闇から舌打ちがした。暗闇には囚人らのまなこが光っていた。密貿易がばれた者、海図を盗んだ者、英国の密偵。風の通らぬ地下牢の中、少量のパンと少量の水のみで死刑を待つ囚人たち。その精神は既に壊れているのだった。暗闇の中から不気味な音ーへらへら笑いや突然の唸り声ーだけが聞こえた。ピーテルは彼らから離れた場所で膝を抱えて震えた。時折我が身を両手で叩き、壁に頭を打ってはサラを思った。サラが最後に残した恐怖の顔を思い出した。サラを想って滂沱の涙を流した。さっき、俺の手はあの子の柔らかな頬にあった。そして頬の涙を互いに舐めて「しょっぱいね」と言った。あぁ、あれは夢だったんだ。今、牢屋で固い壁に囲まれ一人涙を流す。これが現実なんだ。
 どこかにおられる神よ。どうかサラ様だけはお助けください! あの子には何の罪もありません。ただ私がサラ様に会いたいと、そう願ったことが罪なのでございます。罰は私のみに下されますように!
 狂気に満ちた牢の中で、
―私の命を捧げます。どうかサラ様だけはお助けください!
 そう念ずることだけがかろうじてピーテルの精神を保った。

 サラはといえば、ついさっきまで恋人と睦み合っていたバタヴィア城の最も美しい部屋から、汚濁まみれの地下牢へと蹴り落とされたのである。
ーああ、何ということをしてしまったの。
 涙をぽろぽろこぼしながら膝を抱いてうずくまった。
―お父様、オランダにいらっしゃるお父様、サラは殺されます。お父様はどんなに驚き、嘆かれることでしょう。サラはお父様の名をけがしてしまった。どうか許してください。お母様、平戸にいらっしゃるお母様、サラの死を知ったらお母様もきっと死んでおしまいになるでしょう。トシ、フリードリヒ先生、ごめんなさい。サラは汚らわしい女です。それで総督の裁きを受けるのです。
ーそしてピーテル。
 サラの目から枯れたはずの涙がまたこぼれた。
ーピーテル、ごめんなさい。サラが手紙のお返事を書いてしまったので私たちは殺されるのよ。父と子と聖霊なる神様。私を許して下さい。サラは汚い女です。蛇のような女です。ピーテルを誘ったのは私です。ピーテルに罪はありません。
 サラは一晩中、父と母とトシとフリードリヒを思い、ピーテルを思い、三位一体の神の許しと聖母の取り次ぎを祈った。サラが初めて経験した永遠のように長い夜であった。

 その頃。
 フリードリヒは、あたりに注意を払いながら部屋の番兵に近づき、何かを耳打ちすると中に忍び込んだ。全てが焼き尽くされる前にせめて大切な品を救い出そうとした。洋服ダンスからサラのお気に入りの衣装を一揃い、幼い日の日本の着物を一揃い、そして机の引き出しを開け、サラの宝箱も布袋に入れた。その時、宝箱のそばに一枚の紙があるのに気付いた。子供の文字で「結婚の誓い」と書いてあった。それも又袋に入れた。

 翌六月十八日、司法評議会が裁判を開いた。
 裁判の過程で、ピーテルの父はオランダ人、母はアラカン(現ミャンマー南部の港町)から連れて来られた女奴隷だということが分かった。父はバタヴィアからは既に離れ、母の行方は不明だった。一方、サラの母が平戸の現地妻の一人であることも明らかにされた。
 総督は、―ほら見よ。奴隷の子は奴隷。妾の子は妾。邪悪な血のやからどもだ。―そう思った。
 また、ピーテルが門番を金貨で籠絡したことが明らかになり、門番始め守衛たちの副業も露見した。サラが破瓜はかに至ったことはピーテルが自白した。
 判決が「姦通罪にて両者有罪」となれば、刑罰は「男は斬首刑。遺体は海へ遺棄。女は鞭打ち刑の後、海へ遺棄」となる。
 クーンが発令した、【いかなる不義密通をも厳罰に処する】の一文が効力を発した。

 結審の直前であった。会議室の扉が薄く開き、一枚の紙が差し出された。
 役人はそれを受け取るや血相を変え、「お待ちを!」と評議員席に駆け寄った。
「『結婚の誓い』なるものがここに・・。これは、証書ではございませんか」
「どれ、見せなさい」
 評議員アンソニー・ヴァン・ディーメン Antonio van Diemen が真っ先に手をのばした。
「ふむ。彼らなりに真剣な・・」
 別の評議員達も覗き込んだ。
「あぁ、二人の署名まで・・子供ながら几帳面な文字でのぅ」
 ヴァン・ディーメンはしばし考えたのちに口を開いた。
「総督、私は・・死刑には反対させて頂きます。証書もございます。何卒穏便に事をお運びください」
 もう一人の評議員もおずおずとディーメンに同意した。首席検察官フィリップは腕組みをした。フィリップはオランダから派遣された法律上の最高権威者であり、唯一、総督の権力を制御出来る人間だった。

 しかし、更に、ディーメンが「しかも閣下がお育てになったサラお嬢様ではないですか」と口にしたとたん、クーンは目の前の机を思いっきり拳で叩いた。その拍子に水差しとグラスが床に落ちて粉々に割れた。

「何を言う! ディーメン! 私を非難するのか! 子供の落書き如きを! 穏便にだと? お育てになっただと? 腑抜けどもが! 我らが神は正義の神、裁きの神である。右手が罪を犯すならば右手を切ってゲヘンナに投げ入れよと命ずる神である! ソドムとゴモラ、情欲の町を焼き尽くしたのは我らが神ではないか!」
 クーンの剣幕に、それ以上物を言える者はいなかった。首席検察官さえ口をつぐんだ。
 処刑は次の日と決まった。

 翌六月十九日には早朝から市庁舎前広場 註釈(3)に人だかりができた。
 どこから聞きつけたのか、バタヴィアの一等市民から四等市民、それ以下の者に至る迄、バタヴィアに住む者達はこぞって見に来た。日本人集団もいた。城の使用人達の先頭にトシの姿があった。一昨日、サラの部屋から退出した後に起きた騒動だった。おのれの迂闊を嘆き、昨日から食を絶ち、ひたすらロザリオをっているのである。トシの脇でニラムとマルガが共に手を合わせていた。

 フリードリヒは市庁舎内の資料室で分厚い本を熱心に調べていた。結婚の誓いが何ら効力を持たなかったことに失望しなかった。休みなしに頁をめくり、最後の救いが落ちてやしないか、舐めるように探し続けた。
 本棚と窓とを行ったり来たりしていた司法修習生サミュエルが「あぁ、あぁ」と叫び出した。
「大佐! 少年が、広場に現れました!」

 広場の中央に、ピーテル・コルテンフーフが引っ立てられて来た。ボロ雑巾のように濡れそぼっていた。
 野次馬の中にいた宝石店店主は少年の顔を見て、「あれまぁ」とひとりごちた。
 今度は別の方角から少女が連れて来られた。
 群衆はどよめいた。あれがサラだよ。事務総長スペックスの御令嬢だよ!
  少女は衣服をはぎ取られ、裸に近い下着姿で、後ろ手に縛られ、広場に連れて来られたのである。
 総督クーンの有色人種への無慈悲は誰もが知っていたが、肌の白い少年少女でさえも処刑するということが皆を驚かせた。しかも広場に引きずり出された二人はいかにもあどけない子供であった。
 裁判長が二人の罪状を高らかに叫んだ。
「ピーテル・コルテンフーフ。サラ・スペックス。両人は、未婚にして情欲に溺れ、神への冒瀆、及び姦淫の罪によって、教会法並びにバタヴィアの法令により、死刑が決定された。殊に至高なる総督邸での淫行はあるまじき大罪である」

 断頭台まで歩かされる時、少年は一度抵抗を示した。役人は慌てて羽交い絞めにした。それを最後に少年は無抵抗となった。口だけがブツブツと何かを呟いていた。
―私の命を捧げます。サラ様だけはお助け下さい。神よ・・神よ・・神よ・・。

 少年は最後に、泣き濡れるサラの姿を目にした。その直後、役人は少年の背をドンと押し、断頭台に跪かせた。
 サラは立っているのがやっとだった。顔を伏せると髪をつかまれ前を向かされた。共犯者の処刑を直視させる為だった。

 刑の執行人はペーター・フラグという巨漢の男であった。体を揺らしながら登場した。執行人は断頭台まで進み、囚人の前で立ち止まると貴賓席の総督をちらと見て一礼した。それから重厚な剣を軽々と持ち上げ、狙いを定めた。
 少年がサラの名を高く叫ぶのと、剣が振り下ろされるのとが同時だった。
 広場が大きくどよめいた。首は一度跳ね上がり、それから地面にトンと落ちるとコロリと一回転して止まった。目は見開き、口も叫んだ形状で大きく開いていた。婦人らは悲鳴を上げた。波のようなさざめきがしばらく止まなかった。

 総督クーンの表情はテントの影になり、伺い知ることができなかった。
 広場のジャワ人たちはこう考えた。
―ああ、恐ろしい! 総督クーンはなんと冷血なる男よ。
 オランダ人の想いは複雑だった。
ーなんとむごいなさり様か―。その一方で、―貞操を汚した当然の報い―。と考える者もいた。―総督の厳しさこそがバタヴィアに必要だ。でなければ、誘惑多き南国で皆が堕落していく―。また、底辺の者達は、高位の令嬢の次なる処刑に抑えきれぬ興奮を味わっていた。

 少女の番となった。広場は再び水を打ったように静まり返った。
 少女はたった一人で ―その父も母も、処刑など知る由も無く― とぼとぼと、裸足はだしで刑場に引かれて来たのである。
 誰かが、「淫売! 」と大声で叫んだ。周囲から笑いが起きた。
 歩くその先には共犯者の無残な死体があった。首のない死体から徐々に血だまりが広がった。役人がその頭部をスイカか何かの様に麻袋に放り込むと、別の二人が胴体をいちにのさん、で同じ袋に放り込んだ。
 少女は広場に据えられ柱に、それを抱く格好で括り付けられた。
 鞭打ち役が立ち上がった。長い鞭を衆人に見せつけるかのようにまず右の地面にゆっくり一度、左の地面にゆっくり一度、ビシリッビシリッと叩きつけた。

 役人が背中の紐をほどくと少女の小さな背中が顕わになった。男はその背中めがけ勢いをつけて鞭を振り下ろした。
 ビシリッ!
 雷に打たれたかの様な痛みがサラを貫いた。サラは唇をかみしめて耐えた。
 ビシリッ!
 ビシリッ!
 四打目でサラは悲鳴をあげた。五打、六打、七打、悲鳴はかすれ、最早声にならなかった。背中の裂傷からは血が滴り落ちた。八打、九打、サラは気を失った。男はしびれた腕をしばし休ませた。上官を伺うと「やれ」と合図するので、サラをもう一度柱に立たせ、更に鞭打ちを十五打加えた。サラから反応が消えた。上官は「やめ」と命じた。
 民衆は貴賓席の日陰の中で総督クーンが笑みを浮かべているのを見た。
「もう死んだ? 」「さあ、どうだか」。民衆には安否が分かりかねた。
 少女は柱から外され、麻袋に放り込まれた。クーンは首を真横に動かして〝捨てよ〟と命じた。
 二つの麻袋は海に放り投げられるのである。罪人ゆえ、バタヴィアの最も遠い岸からジャワ海にむかって。

 下男らが血まみれの麻袋と、少女の麻袋を荷車に担ぎ入れたその時だった。
 「お待ち下さい! お待ち下さい! 」
 一人の痩せた青年が叫びながら疾走して来た。
 司法修習生サミュエルである。総督のもとへと息せき切って走り、跪いた。
「総督、この本をご覧下さい。ここです。この頁のここです」

 修習生が示したのはオランダ本国の法律細則であった。
「我が国の罰則規定の中に、〝死刑が問えるのは、十四歳からである〟という文言がございます!」
 クーンは分厚い本に目をやった。こめかみには青筋が立っていた。
 評議員らは慌てて立ち上がり、顔を寄せあって示された頁にルーペを当てがった。
「おぉ」「抵触だ」「抵触だな」。検察官と評議員、教会の長老たちは総立ちとなって議論を始めた。
 クーンは重鎮らの突然の議論に苛立ち、三歩あるいては踵を返し、また三歩あるいては踵を返し、を始めた。

 首席検察官フィリップは険しい顔で一人、クーンに対峙した。
「閣下。稀な事例ゆえ、見落としがございました」
 クーンは歩行をやめなかった。
「本国の法律は遵守せねばなりません!」
「ええいっ、関係ないわ! 」。クーンはいきり立った。
 フィリップは心を奮い立たせた。
「総督! 本国に知られれば大問題となります! 」
 「む・・・」
 フィリップは広場に向き直ると、大きく両手を広げて叫んだ。
「中止! 中止である!!」
「オランダの法律に従い、刑の執行はこれにて中止とする! 少女をすみやかに麻袋から出しなさい! 」

 首席検察官と、昨日、同意書への署名を拒否した評議員ヴァン・ディーメンは後にしばしばこの日のことを語った。―どんなにお父さんに勇気があったか分かるか? 相手は総督クーンだぞ。お父さんはな、一世一代の覚悟で、正義を貫いたのだ。総督の逆鱗に触れることも恐れずにな。堂々とな。息子や娘たちは父の武勇伝を何度も聞かされることとなる。ちなみに、ヴァン・ディーメンとはのちに第八代東インド総督となる人物である。

 さて、少女の処刑の中止宣言に、広場はまたどよめいた。「処刑は中止だってよぉ!」。気の抜けたようなどよめきであった。
 フリードリヒはいつの間にか貴賓席の中に収まっていた。
 クーンは怒りのやり場を失い、叫んだ。
「もうよい! フリードリヒ、帰るぞ! マタラムを攻撃せねばならぬ! 」
「はっ」
  先頭の馬車にクーンとフリードリヒが乗り、それから家臣たちが五台の馬車に乗り込んでバタヴィア城へとけたたましい物音をたてて走り去り、貴賓席一帯からは人影が消えた。

 少女が麻袋から出された。役人が顔を近づけると、微かに息があった。役人は少女の頬を叩き、ザンブリと桶の水をかけた。
 今度は、改革派教会の役員らと検察官とが忙しく議論を始めた。少女を助命する為に、いま一つの懸案事項があった。
 議論は一致をみた。
 教会の長老が一歩前に出て声を張り上げた。
「バタヴィア司法評議会とオランダ改革派教会は、サラ・スペックスの助命に際して次の一条を言い渡す」
 広場は再び静まった。
「サラ・スペックスが、カトリック教会から、プロテスタント教会へ改宗することが条件である」
 別の長老が怒鳴った。
「養育責任者の日本人がおったな。その者はおるか? いたら前へ!」
 白い着物姿の女が一人、静かに前へ進み出て来た。トシだった。ロザリオを繰るのをやめなかった。
 トシはうつむき、押し黙っていた。
 長老は痺れを切らし、しっしっと手を振った。
「下がってよいぞ。サラは以後、プロテスタント信者となる! 」
 トシは無言のまま、長老らにおもむろに一礼した。
 一礼ののち、まっすぐ顔を上げると、啖呵たんかを切った。
 日本語だったため、日本人以外に理解できる者はいなかった。

「ああ、ああ、かまわんとばい。お好きになさいまっせ! あんたらのお好きに! サラ様ば助かるんなら、カトリックなんぞ犬にくれてやるとばい。うちんイエズスさんは、心ば広か方やけんね。カトリックじゃとかプロテスタントじゃとか、イエズス会じゃとか改革派じゃとか、そげなもんば超越するお方やけんね。改革派教会? 上等ばい! 全く西洋ん神さんは心ば狭かとねぇ。小うるさかとねぇ」
 言い終えるや左右を見回し、野次馬の女からショールを剥ぎ取ると、少女の元にひた走り、打擲ちょうちゃくされた血まみれの体をそれで包み込むと、役人相手にオランダ語をまくし立てた。

「Schiet op, wat ben je aan het doen! Draag deze dame naar het ziekenhuis! Naar het ziekenhuis!
  Draag haar naar het ziekenhuis! Laten ze daar onmiddelijk haar rug behandelen! 」
(ほら、何してるんだい! お嬢様を運ぶんだ! 病院だ! 病院に運ぶんだ! 病院で早く背中のお手当をするんだ!)

 

その8 へ つづく